死者の祝祭へ、ご一緒に

皆が寝静まった夜更けに、冷えた風が首筋をなぞる。
命あるものもそうでないものも、年に一度集う夜。
あやしくも素晴らしい特別な宴へようこそ。

これはクイーンのドレス。
招待客が揃った頃、厳かに開かれた階上の扉から現れる統べる者の装い。

暗闇の君主として当然の漆黒をメインに、ポイントを彩る艶やかな紫。
彼女を慕うゴースト達が布地にまで映り込んでいる。

尾を引くようなロングトレーンが、纏うものの優雅さと気位の高さを表し、フロントクロスから覗く僅かな歩み一つでさえ会場を虜にする。

柔らかに広がる裾に描かれているのは、この夜を代々主催してきた歴代のクイーン達の肖像画。
不気味に笑うカボチャを抱えた彼女たちとは、決して視線を交わしてはならない。
ドレスに縫い留められたゴーストの一員になりたくないのであれば。

揃いのケープもまた、クイーンに相応しい一級の仕上がり。
そう易々と目元を明かさない深いフードに、秘めきれないオーラを象ったように大きく広がる墓場フリル。

何よりも特徴的なのは、肩からのシースルーチュール。
ドレスのウエストに配されたクイーンの証が透けて見え、チュール越しにでさえその風格に恐れ慄く。

一年にたった一夜、集い歌い踊る。
隣で笑うのは、生者かそれとも､､､。
さぁ貴方もご一緒に。